「金色の砂漠」宝塚歌劇、花組公演。感想まとめ

「金色の砂漠」の感想。

架空の王朝、古代の砂漠を舞台に繰り広げられる悲劇。

演出家、上田久美子先生の大劇場作品2作目。

 

金色の砂漠

昔々、いつかの時代のどこかの国。砂漠の真ん中にあるその王国の王女は、“ギィ”という名の奴隷を持っていた――。

自分がどこから来たのかも知らず、王女タルハーミネの奴隷として育てられた少年、ギィ。常に王女に付き従って世話をする彼は、長じるにつれ、美しく傲慢な王女に心惹かれるようになる。ギィを憎からず思うタルハーミネではあったが、王女の立場と何より彼女自身の矜りが、奴隷を愛することを許さない。タルハーミネはわざと高圧的な態度でギィを虐げる。奴隷でありながら矜り高いギィは、そんな王女を恋の前に屈服させたいと激しい思いを募らせる。
ギィの怒りにも似た愛は、やがて報復の嵐となってタルハーミネと王国を呑み込んでゆく――。
架空の古代世界を舞台に描き出される、愛と憎しみの壮絶なアラベスク。

出典:宝塚歌劇公式HP

 

主な登場人物

タルハーミネの奴隷 ギィ:明日海 りお

第一王女 タルハーミネ:花乃 まりあ

タルハーミネの求婚者 テオドロス:柚香 光

 

第二王女の奴隷 ジャー:芹香 斗亜

第二王女 ビルマーヤ:桜咲 彩花

ビルマーヤの求婚者 ゴラーズ:天真 みちる

 

王 ジャハンギール:鳳月 杏

王妃 アムダリヤ:仙名 彩世

王妃の奴隷 ピピ:英真 なおき

教師 ナルギス:高翔 みず希

 

Youtube動画:宝塚歌劇公式PRより。

 

本編の感想とあらすじ

出演者に当て書きされたオリジナル作品。

明日海さんをはじめ、男役が奴隷という斬新な設定。

奴隷という立場で虐げられるトップスターの苦悩する姿。

見応えありです。

 

ギィは生まれた時から王女タルハーミネの奴隷につき、

生活を共にすることでお互いに恋心が芽生えます。

許されることのない禁断の愛。

 

タルハーミネはイスファン国の王女であるというプライドが高く、

一方でギィも奴隷でありながら、王女と同様に優れた才能や資質の持ち主であるという自覚があり、

誇り高く生きようとします。

 

タルハーミネの求婚者である他国の王子、テオドロスが登場すると

恋心がさらに燃え上がるギィ。

王子との結婚前夜にギィとタルハーミネの禁断の愛は結ばれるのですが、、

古くから因縁をつけられていた教師ナルギスの密告により、ギィは投獄へ。

 

実はこの奴隷の主人公ギィは真の名をイスファンディヤール、

ジャハンギールに倒されたイスファン国、旧王の息子であることが王妃アムダリヤから告げられます。

そこから愛と憎しみに満ちたギィの復讐劇が始まるのでした。

 

脱獄し、旧イスファン国の生き残りである砂漠の盗賊の一味に拾われ歳月を経ます。

 

ジャハンギールを討ち、最後にはタルハーミネを自分のものにします。

しかし、タルハーミネは砂漠へ逃げ、それを後から知ったギィもまた姿を追うのでした。

 

子どもの頃に夢見ていた憧れの場所、「金色の砂漠」の上で再び出会い

憎しみや誇りの葛藤の中で愛を誓いますが、二人は生き絶え物語は幕を閉じます。

 

明日海りおさんと花乃まりあさんの迫真の演技に飲み込まれます。

お二人は誇り高いお役が特に似合うなと感じました。

 

ギィとタルハーミネの愛はお互いの誇りや憎しみによって

一見上手くいかない印象を抱かせますが、二人の普遍的な愛に物語が一貫して守られています。

何があっても根本的な愛は消えずにいるところがこの物語に引き込まれる所以だと思います。



フィナーレの感想

フィナーレは、物語の設定をそのまま引き継いだ世界観を演出。

デュエットダンスでは、作品中で描かれなかったギィとタルハーミネの夢の世界が表現されていて、

トラジェディ(悲劇)から解放され、二人の愛の物語が完結。

 

ターバンを身につけた男役群舞は迫力満点。

フィナーレを華やかに飾っています。

 

おまけ

貸切公演で当たった明日海さんのサイン色紙。

横各列の同番号が当たるのでかなり確率が良いです。

 

事前に抽選をして幕間に発表なのですが、トイレ休憩をとるために慌てて席を立とうとしたところ、

隣でご観劇されていた親切なご夫婦に、私が当選したことを教えていただき初めて知りました(笑)

2階A列の最前列でコスパも良く、サイン色紙も当たって大満足でした。

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